社長ブログ

【こおろぎ】が届きました

(2006年07月03日)

こおろぎ劣等感について

私は、子どもの頃から勉強が苦手です。子どもの頃のテストの点数はいつも30点くらいでした。この歳になれば、テストで100点を取ることより、キチンと勉強することのほうが大事だと分かるのですが、子どもの頃の私はテストで100点を取ったら人生が拓けるような気がしたものでした。

ではどうしたら100点が取れるのでしょう?私も「勉強をする」という方法があることは知っていましたが、30点の私が勉強して100点を取るというのは、あまりにも遠い道程です。そこで30点の私が選んだ道は、「カンニング」という方法でした。

しかし、カンニングという方法では30点が60点になっても、100点はなかなか取れません。中学生になった頃、私はカンニングの代わりに「保健室に行って、試験を受けない」という方法を取るようになりました。

本当は100点を取りたい私が、テストを受ければ30点は取れるのに、自分からテストを受けず0点を取るのです。挑戦さえしなければ、出来ない自分を見ずに済み、自分の気持ちの中では「やりさえしたら出来る自分」でいられるのです。

ある時、ひょんなことでテストの問題を手に入れ、テストに臨んだことがありました。手に入れた通りの問題ですので100点は間違いありません。クラスの仲間から見直され、親からもほめられると思うと、テストが返されるのが楽しみで仕方がありませんでした。

ところがテストが返ってきた時、私が感じたのは「これではない!」という感覚でした。私が本当にほしかったのは、カンニングで手に入れた100点ではなく、「自分の力でとった100点」だと気がついたのでした。もし、本当にほしかったものが「自分の力で取った100点」だとしたら、カンニングという方法を取った時点で、もう手に入らないものだったのです。

アルフレッド・アドラーは、「理想の自分」と「現実の自分」との差を「劣等感」と呼びました。劣等感が強い人は、勇気がくじかれていて、結果の見えないコツコツとした努力が耐えられず、「カンニング(劣等感の補償のためなら手段を選ばない)」や「保健室(劣等感を感じるのが嫌で、勝負から降りる)」という方法をよく取ります。「カンニングタイプ」の人は、小さなことでよく怒ります。結果にこだわり、攻撃的で、成功を収めることもありますが、自分の劣等感の補償に「結果」に求めているので、「結果」のためには手段を選ばなくなる恐れがあります。

最近、ニュースを騒がせた東大卒の経営者がいましたが、あの人達は幸せだったのでしょうか?あとどれだけ儲けたら満足したのでしょう?人それぞれ幸せ像は異なると思いますが、私にはあの方達は劣等感の補償を求めていただけに思えてなりません。あのような生き方にあこがれ、信奉する人たちもまた、劣等感が強い人達だと私は思います。

「保健室タイプ」の人は、目標を持ちたがりません。持つとしたらすぐに結果の出ないとても高い目標を持ちます。そうすればすぐに結果を見ずに済むからです。保健室タイプの人は、カンニングタイプと異なり、性格的にはおとなしく見えますが、内心は被害者感覚が強く、人を恨んだり、逆ギレします。

では、私達の中で劣等感のない人がどれだけいるでしょう?
私達は、子どもの頃に刻まれた「意味のない劣等感」のために、助け合うべき人と、「どちらが正しい」「どちらが上か」と無駄な競争をしているのではないでしょうか。

勉強しない子どもに「勉強しなさい!」と怒っているお母さんは、勉強のできる子どもの母親であることで自分の劣等感を補償しようとしているのかもしれませんし、人がボランティアをしないことに腹を立てている人は、ボランティアによって「正しい自分」になり、劣等感の補償をしているのかもしれません。

同じことをしていても天国(幸せ)と地獄(不幸)に分かれるのは、こうした理由からかもしれません。

劣等感の正体は、自分自身の価値に対する怯えです。腹が立ったときや、人を恨みそうになったときに、「それは自分の劣等感の問題ではないか?」「本当に怒らなくてはならないことか?」と考えてみるだけでも、ずいぶん対応が違うものになると私は思います。

私は劣等感のことは分かっても、どうしたら劣等感に振り回されずに生きられるのかは、なかなか分かりませんでした。そんなとき出合ったのがCL(建設的な生き方)でした。
劣等感の強い人は、自分を追い詰めるだけではなく、他の人を傷つけ、周りの人に劣等感を植え付けます。私達のところで、劣等感の連鎖を断ち切りたいと思って私はCLを広げます。

杉井保之氏 【こおろぎ】より

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