【こおろぎ】が届きました

(2007年12月12日)

こおろぎなぜ「こおろぎ」か?

「こおろぎ」の創刊号や「不完全なあなたへ」(文芸社)では紹介しているのですが、新しい読者の方から「どうして『こおろぎ』というのですか?」という質問がきているので、「こおろぎ」という名前の由来について説明したいと思います。

若い頃の私は何をやっても人より劣っていて、そんな自分が嫌いで仕方がありませんでした。そんな私は「今はイモ虫でも、いつか蝶々のように、もっとカッコ良く、もっと優秀な自分になりたい」と願っていました。しかし、どんなに願っても、ある日突然、素敵な自分になることはありませんでした。

そんな時に「こおろぎ」という虫についての話を聞いたのです。

「こおろぎ」という虫は、鈴虫のように人から好かれる虫ではありませんし、蝶々のように一度にきれいな姿になることもありませんが、一生のうちに4回脱皮し、その度に新しい力を手に入れていくというのです。3回目の脱皮で飛べるようになり、私達が聞く鳴き声は4回目の脱皮によって手に入れるというのです。

その話を聞いて、「私は鈴虫のようにきれいな声で鳴けないし、蝶々のように一度できれいな姿に変わることは出来ないけれど、一年に一つ、新しい魅力を身につけていこう」と思ったのでした。

それから私は、一年に一つテーマを決めて、そのことに力を注ぐようにしてきました。

ある年は経営を学びましたし、ある年はマーケッティングを学びました。またある年は心理学を通してリーダーシップを学んだ年もありました。そうしたテーマは勉強に限らず、「言葉遣い」であったり、「約束(時間)を守ること」であったりしました。果たしてどれだけ身についたかは分かりませんが、今日、私が各地で講演させていただいたり、50歳を前にして会社を退けたのは、こうやって一年に一つずつ身につけてきたものが基盤となっていると思います。

日本では「こおろぎ」というと、「便所こおろぎ」とも呼ばれ、決して評価の高い虫ではありません(私の作っている「こおろぎ」も、よくトイレに貼られているようです)が、中国の故事には「冬を越えたこおろぎは幸せをもたらす」というものがあるそうです。確か映画「ラスト・エンペラー」の中でも、王妃が首から陶器のカゴを下げ、その中で「こおろぎ」を飼っていたシーンがあったように思いますが、そうして「こおろぎ」を越冬させていたのです。

人は生きている限り誰の人生にも、辛いことや、悲しいことがあると思います。しかし、こうした寒い冬を乗り越えた「こおろぎ」には、幸せをもたらす力があるというのです。

私は、鈴虫や蝶々にはなれませんが、一年に一つ脱皮して、いつか鳴ける「こおろぎ」になりたいと思っています。そうした思いから通信の名前を「こおろぎ」と名づけたのです。

後で知ったことですが、私の尊敬する詩人、坂村真民先生の詩の中には「こおろぎ」がよく出てきます。その中でも私が特に好きな詩をご紹介したいと思います。

愚かなるがゆえに こおろぎのように 
一つのうたを うたいつづけていこう 
それよりほかに 自分を救う道はない

皆さんのところに届いた「こおろぎ」が冬を越えて、皆さんに幸せをもたらすことを心から願っています。

杉井保之氏 「こおろぎ」より

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